施工事例
全館空調「パッシブエアコン」
なぜ優れた温熱環境を勧めるのか?
私たちの暮らしにおいて、健康と温熱環境は密接な関わりがあります。
以前と比べ、高断熱住宅が普及していますが、温熱環境が整っていないと、当然のことながら冬は寒く、夏は暑い住まいとなります。
例えば、冬のヒートショックによる入浴事故。
この他にも家が寒いと、暖かい家に比べ、高血圧、糖尿病、骨折・捻挫などを経験した人の割合が1.5倍程多いと言われています。
また、夏は家の中での熱中症発生率が高いことも報告されています。
温熱環境は子どもの学習面や衛生面にも影響します。
アンケートでは、夏に「勉強したくない」という子どもは冬の5.2倍、冬に「歯みがき・洗面・手洗いがイヤ」という子どもは夏の6.8倍という結果も報告されています。
温熱環境を整えると人間よりも暑さ寒さに敏感で影響を受けやすいペットもストレスが少なく、快適に暮らすことができます。
壁掛けエアコンへの不満を解決する「パッシブエアコン」
住まいの温熱環境を整える方法として「エアコン」がありますが、「エアコン」というと一般的に壁掛けエアコンを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
「身体にあたる風が苦手」「足元が寒い」「頭のまわりだけ暑い」
このような理由から、エアコンが苦手という方が多いようです。
また、「お手入れが面倒」、そして「電気代がかさむ」という印象をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
これらの不満を見事に解決してくれるのが「パッシブエアコン」です。
全館暖房の快適さをエアコンで
パッシブエアコンは、パッシブデザイン(*)の要素を採用した家の小屋裏に設置され、ダクティングにより冬は床下から暖房を、夏には天井から冷房することで屋内の温熱環境を一年中快適に維持します。
建築と空調設備が一体で計画されることで、屋内も屋外もすっきりと収まり、そのうえ煩わしい日々のお手入れも1台分。これからの暮らしを、シンプルで快適なものへ導きます。
*「パッシブデザイン」とは?
建物をとりまく自然や環境がもっているエネルギーを上手に利用できるように建物を設計することで、エネルギー消費を抑え、快適な生活環境や室内気候をつくろうとする設計の考え方・設計手法です。
パッシブエアコン5つの特長
- 家中隅々まで快適温度
全館冷暖房のパッシブエアコンなら、家中すべての空間で快適に過ごせます。
屋内は隅々までムラのない温度に保たれ、冬はヒートショックのリスクも心配ご無用です。 - 風が直接あたらない心地よさ
パッシブエアコンは屋内全体をゆっくり温度調節する空調システムです。
気流を感じない穏やかな空間で心地良く快適に過ごせます。 - 冬は足元ポカポカ床暖房
「頭寒足熱」という言葉があるように、足元が暖まってこそ寒い冬も快適に過ごせます。床暖房のパッシブエアコンは、真冬もポカポカ。 - 家の中も外も見栄えスッキリ
パッシブエアコンの本体は、人目に触れない小屋裏に設置されるので室内スッキリ。室外機も1台でOKだから、省スペースで外観もスッキリ。 - うれしい省エネ低コスト
パッシブエアコンは、ムダなく効率的な省エネ運転。冷暖房がなくてはならない夏期や冬期に、24時間快適な温度に保ちながら、お財布にもやさしいエアコンです。
パッシブエアコンの基本的なしくみ
パッシブエアコンの暖房
ヒートポンプで温めた空気を、ダクトを通して床下に送ります。
「暖かい空気は上昇する」という特性を利用して、床下へ暖かい空気を送り込むことで足元から家全体を暖めるのです。
これにより効率的にムラなく家全体を適温に保つことができます。
パッシブエアコンの冷房
「冷たい空気は下降する」という特性を利用して、冷気を天井から室内に送り出します。ゆっくり柔らかく家全体に広がるため、小さなお子様や高齢者の方にも負担をかけません。
パッシブエアコンは24時間稼働しますが、延床面積35坪ほどの住宅でシミュレーションしてみると、月々の電気代は平均4,000円ほど。複数の部屋を別々のエアコンで冷暖房するよりもエネルギーの無駄が少なく効率的です。
なお、不在時には省エネ運転を行うタイマー機能がついています。
また、サブリモコンを使用して、一階と二階の温度設定を変えることができます。
壁掛けエアコンの家と全館空調の家の比較
一般的な壁掛けエアコンの家
一般的な壁掛けエアコンは、空調対象とする空間が限られており、水回り、お風呂場、洗面所にエアコンがあるご家庭は少ないでしょう。
また廊下もエアコンを置くことができない場所の一つです。
サーモグラフ画像(壁掛けエアコン)
サーモグラフを見てみましょう。
こちらはLCCM住宅(ライフサイクルカーボンマイナス)という高性能とされている住宅ですが、リビングの奥にある1台の壁掛けエアコンが暖房運転している状況です。
上の方は赤色で暖かいということを示していますが、手前に来るほど真っ青で寒いということが分かります。
特に床のあたりは濃い青色で大変寒いということがわかります。
全館空調の家
全館空調の場合、空調の対象としない範囲はお風呂ぐらいです。実際はお風呂の周りまで温まっているのでお風呂にも暖気が行きます。
壁掛けエアコンでは対象外だったトイレや廊下なども、空調対象となります。
暖気を床下に送り込むということでは、床下も同じく温めておりますので対象範囲が広いということがわかります。
サーモグラフ画像(全館空調)
サーモグラフを見てみましょう。
こちら暖房ですが、すべて黄色から緑色で22.7℃程度の温度で均一となっています。
「22℃はちょっと涼しいのでは?」と感じられるかもしれませんが、部屋全体、床、壁、天井各所の温度差がない22℃というのは大変快適な温度です。
暑くもなく、寒くもない、という温度帯です。
パッシブエアコンは、健康・快適・省エネ
パッシブエアコンは間取りの自由度を高くします。
例えば、キッチンからリビングまでの広い間取りや吹き抜けなど、従来のエアコンでは冷暖房が効きにくい空間でも快適さを実現できます。
単に機械を取り付けるのではなく、建物の性能、間取り、空調計画、そして周辺環境までを総合的に考えて設計します。
私たちは高断熱住宅+全館空調(パッシブエアコン)で温熱環境を整え、快適な暮らしをご提供します。
●パッシブエアコン
https://passivaircon.com/
●動画(YouTube)